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【接触性皮膚炎とは】
接触性皮膚炎は、いわゆる「かぶれ」のことで、何かしらの物質が皮膚に触れることで起こる皮膚炎の一つです。症状としては、原因となる物質が触れた場所に一致して、かゆみ、赤みやむくみ、ブツブツ(丘疹)、ただれ、じゅくじゅくした水ぶくれ(小水疱)などがみられます。接触性皮膚炎は、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の2つに大きく分けることができます。この2つはそれぞれ発症するメカニズムが異なっています。
◉刺激性接触皮膚炎
刺激性接触皮膚炎は、接触皮膚炎の大半を占め、有害物質や化学物質が皮膚に触れて皮膚が直接刺激されることで生じます。これは、原因物質がもつ刺激によって起こるため、アレルギーに関係なく誰にでも起こる可能性のある疾患です。原因物質に触れた後、数分程度で症状が出ることが多いですが、原因物質の濃度が低いと、原因物質に何度も触れることで徐々に症状が現れる場合もあり、人により様々です。刺激性接触皮膚炎ではかゆみよりも痛みがよく見られることがあります。
◉アレルギー性接触皮膚炎
アレルギー性接触皮膚炎は、皮膚に触れた物質に対して体の免疫システムが反応を起こすことで発生します。これは刺激性皮膚炎のように誰でも起こることはなく、原因となる物質にアレルギーのある人のみ現れる疾患です。このようなアレルギー反応にはいくつか種類があり、よく見られるものとしては“Ⅰ型アレルギー反応”や、“Ⅳ型アレルギー反応”が挙げられます。
Ⅰ型アレルギー反応は、原因となるアレルギー物質に触れた後、5分~15分で反応が起こるため、即時型反応とも呼ばれています。症状は一過性で、通常は数時間以内に鎮静化します。Ⅰ型アレルギーにより発症する皮膚疾患としては、じんましんや薬疹(一部)、アレルギー性鼻炎(花粉症)、アレルギー性気管支喘息などが挙げられます。
反対に、Ⅳ型アレルギー反応は、原因となる物質に触れてから、アレルギー反応が起こるまでに数時間~数日かかることから遅延型反応とも呼ばれています。症状が現れるまでの時間が長いため、即時型と比べ原因となる物質を見つけにくいのが特徴です。
Ⅳ型アレルギーによる接触性皮膚炎の原因になる物質は何千種類もありますが、一般的なものは、金属(ニッケルなど)、保存剤、植物、ゴム(ラテックス)、香水などがあげられます。以下の表が接触性皮膚炎発生部位と主な原因になります。
【検査】
症状の原因となっている物質と触れることがなくならない限り、接触性皮膚炎の治療は効果がありません。そのため、原因となるアレルゲンを特定するため、発症時期、発症部位、職場、発汗、日光との関連性、趣味、化粧、家事、薬の摂取歴など詳しく問診します。その中から原因物質が推定されれば、その物質やその中に含まれる成分によるパッチテストを行います。原因物質の検討がつかないときは、ジャパニーズスタンダードアレルゲンのパッチテストを行い、日常生活の中からよく触れるものの中にアレルゲンがあるかどうかを調べることができます。
また、当院では、患者さまが気になる成分や特定のものを調べたいといった場合に、患者さまにその材料の一部を持参していただければ、パッチテストとして調べることが可能です。
日常的に接触性皮膚炎がよくある部位と項目
【治療】
治療法としては、刺激性、アレルギー性のどちらの場合でも、まず原因となるアレルゲンとの接触を避けることが重要です。それに加え、ステロイド軟膏の使用やかゆみに対して抗ヒスタミン薬を内服することがスタンダードになります。ステロイド外用薬にはいくつか強さの種類があるため、当院では患者さんの年齢や症状に応じて使用する薬剤の強さを選んで処方します。